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偉人列伝

第46回 高橋高見(1928~1989)

高橋高見  積極的なM&A(企業の合併・買収)を繰り出し、町工場同然の小さなベアリングメーカーを従業員2万人、年間売上高2千億円を超える世界最大の極小ベアリングメーカーに育て上げた。  東京都出身。日本ミネチュアベアリング(現ミネベア)の創業者である高橋誠一郎氏(当時代表取締役会長)の長男として生まれ、1950年慶応義塾大学経済学部卒業後、鐘淵紡績に入社。59年ミネベア取締役に就き、66年の社長就任後は、多角化経営を積極的に進めた。  世界最大のベアリングメーカーであるSKF米国工場の買収をはじめとして国内ねじのトップメーカー東京螺子(らし)製作所、電磁クラッチメーカーの新中央工業、自動車部品メーカー・大阪車輪製造などの名門企業を短期間に次々と傘下に収めた。  当時はM&Aという言葉自体が珍しかった時代であるが、小が大を飲む野心的な買収工作で企業規模を拡大した異端の人である。  国内外の赤字メーカーを系列に取り込む合理主義の経営哲学は、協調を重んじる日本的経営風土に反し、時には「乗っ取り屋」と恐れられた。  成功ばかりではない。87年には三協精機製作所の買収に失敗、逆に米英投資会社からTOB(株式公開買い付け)をかけられるなど、世界をまたにかけて話題を振りまいた。  今では普通になったM&Aであるが、それを乗っ取りでなく、企業戦略のひとつとして定着させたのは高橋氏の功績である。時代の先を読み、走り続けた人生だった。

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高橋高見 軽井沢の別荘で久しぶりの家族水入らず(1987年) 専用ヘリに飛び乗って忙しいスケジュールをこなす(1987年) 「日本でも企業の売り買いが簡単にできるようになるのも時間の問題です」。聞き手は本誌主幹の佐藤正忠(1975年)
弊社主催の企業セミナーでM&Aと企業買収論について熱っぽく語った(1985年) 静岡の技術開発センターで若手社員を前に熱弁を振るう(1987年) タイ・ロップリ工場開所の記念式典に出席(1988年) 年齢を感じさせないプレーに圧倒される(1987年)